コンサート

ある日の演奏覚書その6〜大月美季&宮原裕子 歌 ピアノ 鍵盤ハーモニカで綴る音楽 Vol.3

演奏形態 ピアノ独奏、弾き歌い、鍵盤ハーモニカ、鍵盤ハーモニカ伴奏
使用楽器 YAMAHA C7、HAMMOND44
演奏曲目 石島正博、武満徹、壺井一歩、町田育弥、溝口日出夫、宮沢賢治、Ilynsky、Piazzollaなど

コンサートについて語る〜直前生配信 

本番一週間前に「歌 ピアノ 鍵盤ハーモニカで綴る音楽Vol.3」について生配信でお話しする機会を得ました。

これまでコンサート終了後に、自分の為の記録という意味合いで文章化することはあっても、演奏前にコンサートのことを語るというは初めてです。

事前にいくつかご質問をいただき、当日それにお答えするという形、
それならカメラ嫌いの私でもなんとかなるだろうと、質問への回答を考え始めると…
これが思いの外難しい!それほど込み入った内容でもないのに〜何故?

ひとつめの「普段の活動について」で即つまずく。。
あぁ(今気づきましたけれど)
そもそも私の活動がまとまっていないのに、それを無理やり簡潔にまとめようとしすぎたのかもしれません。うん、きっとそうだ。

こんな調子ではじまり、他の項目もなんとか回答を用意しましたが、いざ配信本番はグダグダ、冷や汗ダラダラ、途中で「私いま何しゃべってるんだろう?」と幽体離脱しかける苦笑いの数十分でした。いやぁ。。
普段何気なく見ているインタビュー番組は、司会の方も、受け答えをする方も相当すごいレベルだということがよくわかりました。

コンサートへの思いの丈がどれほどお伝えできたのか全くわかりませんが、今回のように第三者のフィルターを通した言葉を受けて、自分の考えをまとめ発信するのはとても新鮮で、興味深い体験になりました。

鍵盤ハーモニカとのアンサンブル

共演者の裕子さんとの出会いは、共通の知人の紹介。
「あなたたち合うと思うのよねぇ」の一言がきっかけでした。
それから7年以上、デュオコンサートや小学校公演などでご一緒させていただいております。

彼女の楽器や音への探究心は並々ならぬものがあります。
音楽家なら当然⁉︎加えて鍵盤ハーモニカという楽器が実に単純な作りで、それゆえいかようにも変化するという特性があるからかもしれません。

ある意味不完全、愛らしい不器用さをもつ鍵盤ハーモニカと共演する場合、特に気をつけたいポイントは音量。ピアノ音質&音量をコントロールするのはもちろん、曲をアレンジする際は音域、配置などにも気を使います。

ピアノ以外の楽器と共演すると、音作り、楽器の完成度(音程や音量など)において、いかに自分が恵まれているか気付かされることもしばしば。
もちろんそれは土台に過ぎず、そこから果てしな〜く長い探究道が続きますが。

音響試行錯誤

「歌 ピアノ 鍵盤ハーモニカで綴る音楽」シリーズも今回で3回目。
1回目から変わらぬコンセプトは“自分たちのやりたい音楽をやる!”
プログラム構成はそれぞれのソロと以下のようなアンサンブルがランダムに並ぶ形になります。

・鍵盤ハーモニカとピアノ

・ピアノ弾き歌いと鍵盤ハーモニカ

・鍵盤ハーモニカduo

さまざまな会場を使いましたが、曲目や場所によってその都度頭を悩ませてきたのが音響問題。演奏形態が多いということはそれだけ音のバランスをとるのが複雑になるということ。
マイクを使えば解決策が見つかるかもと思いつつ、元来アコースティックで演奏してきたのでハードルが高く、これまでは取り入れることに消極的でした。

しかし今回は意を決して、マイクを使ってみることにしました。

マイクに頼りすぎない。とにかく実験してみよう、という気持ちで。

そうは言っても機材を揃えたり、扱いを練習したり、慣れない用語だらけで大変です。
ど素人丸出しのミス連発で、練習でも笑いに事欠きませんでした。

アレクサンダーテクニークと演奏

急に話が飛んだように思われるかもしれませんが、私にとって演奏とアレクサンダーテクニーク(AT)は切っても切れないもの。
練習の過程でも本番でも共にあります。

『コンサート』とひとことで言っても、その中には当日演奏する以外にも、たくさんの活動が含まれます。準備段階から全て。

音楽だけに没頭できればそれも良しですが、日々の生活を切り離すわけにもいかず、大なり小なり何かしら起きる毎日。
気にかかることが増えるとどうしても活動のピントが合いにくくなってきます。
(そうそう!今回は左足捻挫事件もありました。本番で履く靴がなくて困った)

そういう時にAT的思考で物事を整理すると少しずつ整ってきます。
・自分は何がしたいのか
・自分を中心におき同心円を描くイメージ

私が勉強したATは実践的なので、人として活動するあらゆるシーンに対応できます。
熟練度により過程が異なるので結果に違いは出ますが、大事なのは主体性。
大切なことは経験年数にかかわらず同じです。

そこからさらに一歩進めて音楽寄りに。

・質問への回答を考える
・配信でカメラに向かって話す
・ピアノを弾く
・ピアノを弾きながら歌う
・鍵盤ハーモニカを吹く
・マイク位置を意識しながら演奏する
・マイクを動かす  etc…

演奏に関わること全てを統合しすくなります。
曲への想いとの距離感も程よく保てる気がします。

結果パフォーマンスの質が上がります。

まとめ

<ミューズの休日(オープニングpf.ソロ)枯葉(アンコール鍵盤ハーモニカduo)で終演>

コンサート終了後の私のfb投稿です。
これをご覧になったM氏から「朝日と夕日みたいな終わり方ですね」とコメントをいただきました。さすが作曲者!曲の雰囲気を見事に言い表していらっしゃる。実際の演奏を上回る感動。次回もストーリのある2人にしかできないプログラムを目指します。

ご来聴の皆さま、ありがとうございました♪