コンサート

ある日の演奏覚書その5〜高松公演

演奏形態 ピアノ独奏、弾き歌い、歌曲及びフルート伴奏
使用楽器 FAZIOLI  F212
演奏曲  町田育弥,谷川賢作,上田知華,Rachmaninoff,Debussy ,Poulencなど

高松行き決定!

4月に「枕草子の世界〜東京公演」が終わり、その打ち上げの相談をしていたはずが、何故か高松公演(共演者Rさんの出身地)企画が浮上。
「里帰り公演だ!」とあれよあれよという間に話が進み、、
この夏、香川県で演奏会+観光の暑〜い数日間を過ごしました。

コロナや猛暑など不安要素も多い中、いつも以上に体調管理には気を使いましたが、幸いメンバー全員元気に旅程をこなすことが出来ました。滞在中はお天気にも恵まれ、会場オーナーご夫妻の心のこもったサポートも本当にありがたかったです。

親の介護が始まってからここ十数年は長期に家を空けられず、家族旅行すらままなりませんでしたので、久々の大移動!?に期待も膨らみます。
しかしそこは“演奏会が主たる目的”と自らに言い聞かせ、浮かれすぎないよう抑制。いつもなら行き先の名物や観光スポットなどあれこれ調べるのですが、必要最低限の情報検索にとどめました。(我ながらエライ!と思ったけど必要な自制だったかはわかりません。ハハ)
気の合う仲間と初めて訪れた場所で貴重な演奏体験ができました。

 

プログラムのことなど

以前、音楽講師の知人が「東京と大阪でワークショップをすると、同じ話をしても反応が全く違う」と話していました。良い悪いではなく、お土地柄は確かにあって演奏の聴き方、受け入れ方にもそれが表れるように思います。加えて奏者との関係性や日頃どんな音楽と接しているか、その日の体調などなど。
クラシック音楽の演奏会というとどうしても「敷居が高い」「身じろぎ禁止」「静かにきちんと聴かねば」と思いがち。演奏者本人たちはいたってゆるゆるなんですが。
この辺りをもろもろ考慮したうえで、聴きやすい環境作りのための配慮をもう少しできなかったかしら?というのが今回の反省点。それでも暑い中わざわざ足をお運びくださった皆さまには感謝の気持ちでいっぱいです。

私が日頃演奏活動をしているのはほとんど東京近郊。
自主公演のプログラムは、従来のクラシック演奏会スタイルに縛られず、曲目も含め新しい視点で構成を考えるようにしています。
お客様が(初めてでも)聴きやすい曲と自分が演奏したい曲や紹介したい曲、双方のバランスを探り落としどころを見つける作業は必須。
実際に演奏してねらい通りにいったかどうか常に気になるところではありますが、発信後の受け止め方はお客様次第。さまざま頂く感想も次への糧となります。

近頃は「今度は何をするのかな?」という聴き方(見方?)をしてくださるお客様が増えてきたような気がします。その柔軟さ、懐の深さにとても救われています。曲目もさることながら私や共演者その人自身をみてくださっていると思えるので、細々と演奏活動を続け音楽をコミュニケーションツールと考える私にとってはご褒美です。

一期一会

演奏者、聴衆、会場、楽器、全てが相互に影響し合い、組み合わさり、溶けあい、同じ時間を共有する。そんな私にとっての理想的な空間を作り出すには、やはり地道な積み重ねが大切。演奏者本人の演奏力、構成力、本番対応力、体力、社交力、トーク力?!etc.
うわぁ、、正直苦手ジャンルもありますなぁ。

〇〇力でいうなら、今回の出演者全員が突出していたのが間違いなく本番対応力。これがベテランの味!?

普段と違う環境に飛び込み肌で感じて、「一期一会、と心して事にあたるのだぞ」と改めて自分の中で確かめられたのは大きな収穫です。〇〇力はどれも一朝一夕に身につくものではありませんがあきらめずに少しずつ。

高松、良いところでした。また行きたいなぁ。
Rさん、たくさん素敵なところに連れて行ってくれてありがとう♪

<観光編>に続く