レッスン便り

<初めてのアレクサンダーテクニーク> 会社員Sさん、ウォーキング愛好者のレッスン

アレクサンダーテクニークについて、何の予備知識もなく、まっさらな状態でレッスンの運びとなったSさん
受講前のドキドキをこう語ってくださいました

「個人レッスンを受けることが決まり、まず感じたのは不安と緊張でした。
せっかく教えてもらうのに劇的な変化を感じなかったらどうしよう?とか、
何か難しいことを要求されて出来なかったらどうしよう?」

いつも元気溌剌、好奇心旺盛なSさんが、こんな風に考えていらしたのは意外でした。
けれど、、私もその立場になれば、きっとそう思うでしょう。
未知のものに向き合うのですから、これが普通の反応です。

しかしここでおわらないのがSさん!

「でも当日になったら『折角だから楽しもう!』と半ば開き直り状態」
この潔い切り替え。イイですね〜。
好奇心は学びの助けになります。

〜アレクサンダーテクニークのレッスンとは?〜

アレクサンダーテクニークを初めて体験する方が、まず戸惑うのは「レッスンで何をするの?」という点です。

百聞は1レッスンに如かず。
私からすると「とにかくいらしてくだされば、その時の状況に応じて如何様にも」なのですが、これでは漠然としすぎていますね。
でも言葉に嘘はありません。

私達は普段活動する時、例えば、ふと窓の外を見る、目の前のコップを手に取る、洗濯物を干す、食卓の椅子に座るなど、常に自分を(ある意味道具として)使っています。

日常活動よりさらに複雑な動き、運動、楽器演奏や歌唱、演劇、舞踊も、使う道具は同じ(自分)です。

自分という道具の機能を存分に発揮するために役立つのがアレクサンダーテクニークなので、自分の活動全てに関わってくるのです。

そういうわけで、何かしらのレッスンができます。
そして、その場で行う内容について評価はしません。
アレクサンダーテクニーク的視点では、全く意味を為さないので、そもそも優劣をつける必要がないのです。
「うまくいかなかったら?」というご心配は不要です。

〜アレクサンダーテクニークを使って歩く〜

さて、ドキドキのレッスンが始まりました。
Sさんは今一番関心のあることについて話してくださいました。

「自分や周りの人が動ける身体のまま年齢を重ねていくにはどうゆう身体の使い方をすればいいのか?特に生涯続けたいと思ってるウォーキングの為に、身体に負担のない歩き方があれば知りたい」

私も大いに興味ある内容です。
そこでシンプルに「歩く」についてご一緒に探ってみることにしました。

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Sさん、まずはいつもの歩き方。

人目を意識しながら歩くので緊張〜
「いつもと違う。ちょっとぎこちないかな?」
などと言いつつ数回行ったり来たり。

その後、骨格標本を目の前にしながら
*アレクサンダーさんの発見について
*全身の骨格
*歩くとき、どこが動く?

など一通り私からの説明を聞き、再び歩く。

Sさんの中で、最初の“ただ無意識に歩く“から、いろいろな情報が更新され、歩き方がスムーズになりました。
歩幅もゆったり、しかしスピードは上がりました。

ここまでくると、受講前に感じていらした不安や緊張は何処へやら?

終了後の感想です。
「その次に力を抜く場所に美季さんが手をかざしてくれて一緒に歩く。
どんどん身体が軽くなるのを感じました。
短い体験なので美季さんの魔法の手が無いと、固い歩きになってしまいましたが、身体の造りを知ることで、こんなに変化を感じられることを体験できました。面白かったです!」

レッスンを楽しんでくださっている様子が伝わってきます。
こちらこそ、ありがとうございます。

ここで強調しておきたいのは
私はあくまでもサポート役に過ぎず、
Sさんの思考が情報更新によって整理され、それに反応して本来持っている機能が十分に働き始めたのです。
“新しい歩き方“を手に入れたのは、紛れもなくご自身の力です。

Sさんは、相当の長距離を歩かれるので、たった一歩の見直しでも、全体としてかなりの効率化が図れるでしょう。

これからも怪我なく快適なウォーキングを楽しんで頂けたら嬉しいです。