レッスン便り

<フラワーアレンジメントとアレクサンダーテクニーク> フラワーアレンジメント講師、主婦Hさんのレッスン

7年前のアレクサンダーテクニークワークショップにご参加くださったHさん。

その後も折にふれ、WS、個人レッスンでご自身と向き合う時間を過ごしていらっしゃいます。

少々体が痛くても堪えて頑張ってしまうこともあります。

〜頑張りすぎは、体を痛める?〜

Hさんの場合は、腕、首回り、腰を痛めることが比較的多いようです。
この日も、ぎっくり腰が治りかけ、右肘関節に違和感という状態でした。

心も体も頑張ろうとし過ぎると、たいていの場合必要以上に力んでしまい、体は動きにくくなります。さらに無理やり動かそうとすれば、ブレーキを踏みながらアクセルをふかすような状態になり、特定の箇所に負担がかかってしまう恐れがあります。この悪循環が慢性化すると痛みが生じやすくなります(個人差あります)

若い時は平気だったのに、という声もよく聞きます。
私自身も日々実感していることで、、
でも若い方でも長いこと腰痛に悩んでいる方も少なからずいらっしゃいます。
年齢に関係なく、なるべく良いコンディションでいたいものですね。

〜省エネでも効果はバッチリ!〜

↑怪しい通販の謳い文句のようになりましたが(笑)
自分に優しく、それでいて十分に動ける可能性を探ってみましょう。

Hさんのレッスン内容をもう少し具体的に順を追って書き出してみます。

1、現状把握、観察
ぎっくり腰は治りかけでしたが、右肘や右手首周辺の痛みは継続中。解消のヒントが欲しいとのご希望だったので、その状況が生まれやすいフラワーアレンジメント教室での様子を再現して頂きました。

2、さらに情報収集
アレンジメント教室の講習準備、講習中の様子を見せていただきます。
いくつか違う動きのプランも試せそうでした。
Hさんが今のやり方を採用している理由についても、さらに詳しくお話を伺いながら状況を整理していきます。

心(頭)で考えていることと、動きは表裏一体です。
動きだけ別のことをしようとしても、考えがそれに伴っていなければ、本当の変化は起きません。第三者からの指摘で自分の思い込みに気づくことも多々あります。
このあたりにもアプローチできるのが、アレクサンダーテクニークの特徴的な面だと思います。

3、新しいやり方を模索
フラワーアレンジメントを実施する環境(会場、対象者、、花材、時間など)について、一つずつHさんと検討していきます。すると、ここで幾つか省エネにつながる別の選択肢があることがわかりました。作業現場を一番よくご存知なのは、ほかでもないHさんです。彼女自身からもグッドアイデアが生まれます。
それらを取り入れつつ、本当に必要な動きが見えてきました。

4、いざ実験!
新しいやり方を、私もサポートしながら試します。
ここでも、気がついたことがあればどんどん取り入れ、検討します。
好き放題実験しても、失うものは何もありませんからね。

5、新しいやり方の獲得
実験は思うようにいかないことだってあります。
でも、今回は好ましい結果にたどり着きました。

私がそう判断する理由は

①いつも痛みを我慢しながら生けていたのに、それがなくなったこと
②生ける時の自由度が格段に上がったこと(ご本人比)

〜のびのびと花を生ける〜

①に関しては動きをシンプルにし、負担を減らしていたので予想通りだったのですが
②に関しては、想定外!ご本人も面食らっておいででしたが、
新しいやり方の採用前と後では、同じ花器と花材を使用しているにも関わらず、作品の仕上がり具合が全く違っていました。

私も楽器演奏では変化前後の様子を幾度も聴き、目にし、自分自身も体験してきたのである程度想像できるのですが、「フラワーアレンジメントだと、こういうふうに表れるのか!」と感激しました。

狙ったわけではなく、本当に”ご褒美”のような感覚でした。

〜癒しのアレンジメント〜

レッスン後も、そのアレンジメントを崩してしまうのが勿体なくて、レッスン室にしばらく飾っていました。すると、いつもなら無関心な(!)家人の目にとまり、、そのまま施設に入所している98歳母のお部屋に飾ることにしました。

きっと目を喜ばせてくれているでしょう。

Hさん、ありがとうございます♪